10年

長いようで、本当にあっという間だと思う。


あの地震の時、自分は被害の少ない大阪にいた。
それでも、その揺れはすごかった。
あれ以上の揺れなど、生涯の中でまだ一度も経験していない。


兵庫にいた人の状況は、揺れだけに留まらない。
建造物の倒壊、火災、水や食料の不足。
あの震災をテレビの映像で見た時、思ったはずだった。
「オレはこの光景を、絶対に忘れてはならない」と。




…気が付いたら、10年が経過していた。


時は、その人がどれだけ力強く走っているかにより、その流れを変える。
未来というベルトコンベアに乗っている我々は、流れに逆らいながら走っているようにも思える。


力強く走る人ほど、その流れはゆるやかに。
立ち止まる人にとっては、その流れはあまりにも速く。




阪神淡路大震災から、10年。