鯖のインフレ

昨日、ちらりと書いた「鯖のインフレ」について。


MMORPGというのは「閉鎖された経済空間」を持っており、そこに流通する総資産が増えれば増えるほど、その価値が下がります。
もちろん、現実の経済でも同じことが言えますが、ネットゲームにおいてはその傾向がより強く現れます。


もちろん、製作者側も対策は「ある程度」考えてあります。一般的には回復アイテムなどの消耗品をNPCが売ることで、プレイヤー側の所持金を減らしたりするわけです。
ただ、これもキャラクターがレベルアップするシステムだと、いずれ回復アイテムが不要になったり、少量で良くなってしまい、効率よくプレイヤーの所持金を減らすことが出来ません。
そのため強い敵を出したりするのですが、これもレアなアイテムが出たり、経験値取得量が多いなどのメリットが無ければダレも相手にしないので、結果的にプレイヤーの資金は増えます。(PvPが無いゲームの場合、モンスター大量出現イベントなどで消耗させたりします)


Lineage2では、二つの方法でこれを防ぐ対策を立てています。
一つは武器防具のオーバーエンチャント。強化スクロールを武器防具に張れば性能を上げることができますが、4枚以上張った場合に一定の確率で武器防具が消滅します。
もう一つはクリスタライズ。武器防具をクリスタルという結晶に変えることで、そのアイテムが消滅します。変化したクリスタルは魔法使用時に消耗したり、ソウルショットやスピリットショットとなります。


そして、PvP(というか戦争)でそれらを使われていくことで、プレイヤーたちは知らぬうちにゲームサーバー内の総資金を減らしていくのです。(狩りでソウルショットを使う分には、敵が落すお金などで総資金があまり変わらない)


ちなみに、この考え方だとプレイヤー同士の取引はインフレには結びつきません。「相場が高騰してる」とは言いますが、アデナそのものの価値は変わっておらず、アイテムの価値が上がったと考えます。全プレイヤーの総資金が、アデナの価値を決めるという発想だからです。


もちろん、ここに書いたことが必ずしも真実ではありませんし、こういうマクロな経済学は個人レベルに適用されないことは多々あるので、あまり参考にしないように。